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スプリングバンクの香りの秘密や歴史を徹底解説

キャンベルタウン

スプリングバンクはスコットランドの南西、キャンベルタウンで生産されるシングルモルトウィスキーです。

スプリングバンク蒸留所は幾度も閉鎖と再開を繰り返しましたが、現在キャンベルタウンに残る3つの蒸留所のうちのひとつとなっています。

その特徴は、「モルトの香水」と評されるほどの芳醇な香りです。近年では、大麦を発芽させ撹拌し空気を送り込む工程も機械で行う蒸留所が多いなか、スプリングバンクは手作業での「フロアモルティング」を採用しており、それにより個性的な香りが生み出されています。

本記事では、スプリングバンクの味わいや特徴、種類、歴史をご紹介します。

記事の最後では、スプリングバンク以外におすすめしたいスコッチ・ウィスキーをご紹介していますので、ぜひ楽しんでみてください。

スプリングバンクの特徴

スプリングバンクの特徴は、フルーティーさやフローラルが織り成す芳醇な香りと、独特のピリッとしたスパイシーな塩気があと引くおいしさにあります。

こだわりの蒸留回数が生み出す芳醇で強い香り

スプリングバンクの特徴は柑橘系やフローラルを思わせるような香りです。それには蒸留回数が影響しています。通常のスコッチ・ウィスキーの蒸留回数は2回であるのに対し、スプリングバンクは2,5回の蒸留をすることによって、特有の芳醇な香りを生み出しています。

大西洋に発生する霧による独特なスパイシー

スプリングバンクは、芳醇で強い香りの中にスパイシーさを感じる複雑な味わいが特徴です。まさに通好みの味といえるでしょう。ここでは、スプリングバンクのラインナップから、おすすめをご紹介いたします。

スプリングバンク 10年

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「スプリングバンク 10年」は、スプリングバンクシリーズのなかで一番スタンダードなボトルです。洋梨、バニラ、ベリーの芳醇な香りをたのしめます。スパイシーな塩気が味を引き締め、バランスの取れたまさに完璧な逸品です。スプリングバンクが初めての方におすすめです。

スプリングバンク 15年

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「スプリングバンク 15年」は、数量限定でリリースされる限定ボトルです。はちみつやバニラのような甘さのある強い香りに、ピート感が加わり、シナモンやナツメグのようなスパイシーさがあります。加水せずにボトリングしているため、樽で熟成したそのままの味を堪能できます。

スプリングバンク 18年

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「スプリングバンク 18年」は、80%以上をシェリー樽で、20%をバーボン樽で熟成しているため、リッチなフレーバーをたのしめるボトルです。長期熟成により生み出されるコクのある芳醇な味わいとともに、キャンベルタウンモルト特有の塩気と、贅沢で長く続く余韻が特徴です。

スプリングバンク蒸留所の歴史

スプリングバンクは1828年、ライセンスを取得したリード家によって創業されました。しかし、財政難のため、1837年にリード家と親戚関係にあったジョン・ミッチェルとウィリアム・ミッチェルに買い取られます。

1872年、ウィリアム・ミッチェルは別の蒸留所の経営に参加するため、スプリングバンクの経営に息子のアレクサンダーを加わらせます。

第一次世界大戦後の1920年代、キャンベルタウンの蒸留所ではウィスキー生産の需要に追いつくため、比較的軽いウィスキーの生産に傾きます。その結果、「キャンベルタウンのウィスキーは粗悪だ」という評判が流れ、キャンベルタウンの蒸留所の大半は閉鎖へと追い込まれていきます。その中でもスプリングバンクは、生産量を落としてでも伝統の製法にこだわり、蒸留所の不穏な時代を生き残ります。

伝統を守り続けるスプリングバンクですが、その後、経営難に陥り、1926年〜1933年まで、さらに1979年〜1987年までと二度の蒸留所閉鎖を経験しています。

現在に至るまでミッチェル家の独立資本での経営が続いており、キャンベルタウンで最も歴史のある家族経営の蒸留所です。

知名度が高いにも関わらず小規模生産を続けるスプリングバンクですが、今なおこだわりの製法で品質を高く保ち続ける姿勢に、ファンが多いのも頷けます。

シングルモルトおすすめの銘柄

ここでは、スプリングバンクのようなスコッチ・ウィスキーをもっと楽しんでみたいという方におすすめの銘柄をご紹介します。今回は、スプリングバンクと似たニュアンスのものと、スプリングバンクと対照的な銘柄をそれぞれご紹介しましょう。

ボウモア

ボウモアは、「アイラモルトの女王」と称され、上品な風味があります。蒸留所が海岸沿いにあることから塩気も感じられ、バランスの取れた味わいが特徴です。詳細はボウモアのページをご覧ください。

グレンキンチー

グレンキンチーは、スコッチ・ウィスキーには不向きとされる中硬水を使用したシングルモルトウィスキーです。このこだわりが、ライトかつエレガントでクセのない味を生み出します。詳細はグレンキンチーのページをご覧ください。

スプリングバンクのまとめ

スプリングバンクはかつては30以上あったキャンベルタウンの蒸留所の中で、現在まで操業を続けている3ヶ所の蒸留所のうちのひとつです。

「モルトの香水」と称されるほど豊かな香りとスパイシーさが織り成す複雑な味わいは、創業から守り続けてきた手作業による製法や、自社一括管理によるものと言えます。潮気を含んだ霧に影響された塩気はスプリングバンク特有のものです。

芳醇で複雑な味を試してみたいという方や、歴史あるボトルを飲んでみたいという方にぜひ味わっていただきたいのが、「スプリングバンク」なのです。

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