ベンリアック蒸留所は、1898年、スコットランドのスペイサイドで創業されました。
仕込み水はミネラル分豊富な帯水層を使用しており、【ダブル蒸溜】と呼ばれる製造方法=ノンピートの大麦麦芽、ピートを使用した大麦麦芽から2つのタイプのシングルモルトウイスキーを製造しています。
また蒸留は3回で、これら3つのスタイルを合わせた斬新な製造方法を採用しています。
さらには、世界各から集めた多種多様な樽を組み合わせて熟成させることで、ベンリアックならではの奥深いウイスキーを製造しています。
ベンリアックの特徴
ベンリアックはスペイサイドにあり、この地方では泥炭を使用したピート香の強いウイスキーが多く製造されています。
しかしベンリアックではノンピートの大麦麦芽も一部使用しています。
また「フロアモルティング」も特徴の一つです。
これは大麦の発芽を均一にするため、フロア=床に大麦を広げてシャベルでかき混ぜる作業のことです。
ベンリアックの豊かでフルーティな味わいは、こうしてできた原酒を3~4種類の異なる樽に入れて熟成させることでできあがります。
他にベンリアックでよく知られていることは、女性のマスターブレンダーが活躍していることです。
その名はレイチェル・バリーさん。
エジンバラ大学で化学を専攻、同大学の名誉博士号も取得されています。
ベンリアックの種類
ノンピートが特徴であるベンリアックの種類について解説します。
ベンリアック ザ・オリジナル10年
バーボン、シェリー、ヴァージンオークの3種類の樽で熟成されています。
そのため、フルーツやハチミツをはじめとした様々な風味が感じられ、ベンリアックを飲むなら最初におすすめしたい1本です。
おすすめ度:
ベンリアック12年
シェリー、バーボン、ポートワインの3種類の樽で熟成させた原酒をブレンドしたノンピートタイプのシングルモルトです。
豊かな甘み、オレンジなどのフルーティな味わい、カカオなどの風味が共存している優れたウイスキーです。
おすすめ度:
ベンリアック21年
原酒はアンピーテッドとピーテッド、それをバーボン、ヴァージンオーク、シェリー、レッドワインの樽に詰めて熟成させています。
ブレンダーのレイチェル・バリーさんがブレンドした複層的な味わいは他に例のないものです。
バニラの甘さの中にワイン樽由来の渋みがあり、長い余韻を楽しむことができます。
おすすめ度:
ベンリアック ザ・スモーキー12年
「スモーキー」シリーズはベンリアックが製造しているスペシャルエディションで、10年や12年などのバリエーションがあります。
ここでは12年をご紹介します。
スモーキーの12年も、ベンリアックの他の銘柄と同様、いくつもの樽で熟成させたものをブレンドしています。
スモーキー12年では、ピートモルトとノンピートモルトを、スピリットバーボン、シェリー、マルサラワインで熟成。
熟したフルーツの香りと、スモーキーな中にある甘さが豊かなハーモニーを奏でます。
おすすめ度:
ベンリアックの歴史
1898年、ジョン・ダフによってベンリアック蒸留所は創業されました。当時はウイスキーが空前のブームで、それを受けて原酒が大量に供給されていました。
しかし、それから間もなく大手のパティソンズ社が倒産し、ウイスキー業界は一気に傾き始めてしまいました。
多くの蒸留所は経営難に追い込まれたのです。
ベンリアック蒸留所も例外ではなく、1900年に閉鎖されました。
そして、65年という長い年月が流れたのち、ザ・グレンリベット・グレングラント蒸留会社(現シーバル社)がベンリアック蒸留所を買収、生産が再開されます。
スペイサイド地方のおすすめウイスキー
スペイサイドで作られているウイスキーは、初心者でも飲みやすい癖のないものが多いです。そのいくつかをご紹介します。
マッカラン
スペイサイドウイスキーを代表する高級ウイスキーで、「シングルモルトのロールスロイス」とも呼ばれています。
グレンリベット
ウイスキー初心者に最適とも言える柑橘系の爽やかな香りが特徴です。
バニラや蜂蜜に例えられる甘さから人気があります。
グレンフィディック
断面が三角形の特徴あるボトルです。
最古のシングルモルトであり、2013年まではシングルモルトウイスキーで世界最大売上でした。
上品でフルーティな香りが特徴です。
ベンリアックのまとめ
ベンリアックはどんな飲み方でも味の変化が少なく、ロック、ストレート、水割り、ハイボールと、様々な飲み方でも楽しめる懐の深いウイスキーです。
ここでご紹介した以外にもたくさんの種類がありますので、是非ともご自分のお好みに合うベンリアックを探してみることをおすすめします。
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