バッファロートレースは、アメリカ合衆国ケンタッキー州フランクフォートにある「バッファロートレース蒸留所」で作られているバーボンウイスキーです。
名前の由来は、蒸留所の近くに流れていたケンタッキー川が、以前は水牛の通り道になっていたことから、この蒸留所とボトルが「バッファロートレース」(trace=「通る、通り道」の意味)と命名されました。
味は、バターパンケーキのような濃厚な甘さが特徴で、甘みの奥にはクローブやミントなどのハーブ系の味わいがかすかに感じられます。
そして香りは、バニラカスタードクリームのような、やはりコクと深見のある甘さが特徴です。バナナ、アンズ、イチゴなどのフルーティーな香りもあります。
バッファロートレース蒸溜所の創立は1773年で、現在まで約250年もの歴史がある古い蒸留所です。
バッファロートレースの特徴
バッファロートレース自体の価格は、そう高くありません。
しかしその中身は、非常に厳選されたものだということを知っておきましょう。
バッファロートレースは、蒸留所にある40万という莫大な数の樽のうちから最高品質を持つ樽を選び、アルコール度数45%に調整されています。
その割合は、全ての樽のうちわずか0.01%、つまりバッファロートレースに選ばれる樽は、1万本に1本ということになります。
これだけの樽のうちから、一定の味と香りのウイスキーを作り出すブレンダーの感覚は、凄いものです。
バッファロートレースはお肉料理との相性もよく、ストレート、ロック、ハイボールなど、どんなバリエーションでも美味しくいただけます。
ストレートで食後酒も楽しめます。
バーボンウイスキーとは
バッファロートレースは、バーボンウイスキーです。
バーボンウイスキーは、次のように定義されています。
アメリカ合衆国ケンタッキー州を中心に生産されている
アメリカ合衆国で製造されている
原材料のトウモロコシの含有量は51 %以上
新品の炭化皮膜処理(チャーリング)されたオーク樽を製造に用いる
80 %以下の度数で蒸留されている
熟成のために樽に入れる前のアルコール度数は62.5 %以下
製品として瓶詰めする場合のアルコール度数は40 %以上
バッファロートレースの原材料は、「ロウ・ライ・マッシュ」というコーン80%・大麦麦芽10%・ライ麦10%の比率で配合され、全工程8年~12年かけて熟成されます。
バッファロートレースの種類
バッファロートレース蒸留所で製造されているボトルの種類について解説します。
バッファロートレース
銘柄にバッファロートレース蒸溜所の名をそのまま使用しています。
40万樽の中から厳選した原酒をテイスティングし、ブレンド、選定しています。
そのため生産数は少ないですが、プレミアムバーボンという位置づけとなっています。
味は甘さが全面に出たもので、パンケーキ、バニラテイスト。
香りはバニラ、ドライバナナ、アンズ、苺、やがて爽やかなミントの香り。
おすすめ度:
バッファロートレース ホワイト ドッグ ライ マッシュ
バッファロートレース、イーグル・レア、サゼ・ライラックなどを蒸留する前のニューポットです。
ニューポットとは樽詰め前のウイスキーの原酒を指します。アルコールの荒っぽさを感じる一方で原料由来の甘味がクリアに感じられる点がニューポットの良さです。
バッファロートレース ホワイト ドッグ ライ マッシュは、コーン由来の味わいが全面に来るためバーボン好きにはたまらない原酒です。
おすすめ度:
他のバッファロートレース蒸留所で蒸留されるウイスキー
バッファロートレース蒸留所では、次のウイスキーも製造しています。銘柄は違いますが、ここでご紹介します。
イーグル・レア10年
アメリカの国鳥イーグル(ハクトウワシ)を銘柄名としており、スリムなボトルはスマートなイメージです。
10年以上熟成された樽を使用し、バニラやヘーゼルナッツ、バターの香りが広がります。
おすすめ度:
サゼラック・ライ
名前のとおり、ライ麦を原料として作られた「ライウイスキー」です。
口に含むと、アニス(ハーブの一種)、バニラ、レーズン、オレンジの香りと共に、ふくよかなダークフルーツの香りが立ちのぼります。非常に滑らかな味わいの銘柄です。
おすすめ度:
ブラントン
こちらはプレミアムバーボンで最も有名な銘柄の一つ。蒸留はバッファロートレース蒸留所で行われています。
バニラやアーモンド、カスタードクリームを想像されるような濃厚な味わいが魅了。
値段は少々お高めですが、是非一度飲んでみたい銘柄の一つです。
おすすめ度:
バッファロートレースの歴史
バッファロートレース蒸留所は、蒸気熱を使用し蒸溜を行うアメリカ初の蒸溜所として誕生しました。
1919年、アメリカでは「禁酒法」が誕生し、アメリカ内のほぼ全ての蒸留所が操業停止に追い込まれました。
しかしバッファロートレース蒸留所は、操業を許された数少ない蒸留所でした。
長い歴史がありますが、「バッファロートレース」という銘柄が作られたのは最近のことで、きっかけは1992年に蒸留所が他社傘下に入って大規模な改修工事と改名を行ったことです。
かつての名前は「エンシェントエイジ蒸留所」、それが「バッファロートレース蒸留所」となったというわけです。
おすすめの飲み方
バッファロートレースのおすすめの飲み方は、ロックです。氷を揺らしながらスパイシーでバニラやナッツ、蜂蜜を思わせるようなニュアンスが徐々に変化する様子を感じ取れます。
またソーダ割り(ハイボール)などもおすすめの飲み方です。
少し贅沢ですが、カクテルなどにも使ってみると面白いかもしれません。バッファローということで、カウボーイという〔ウイスキー2/3、生クリームを1/3で割ったもの)を試してみてはいかがでしょうか?
バッファロートレースのまとめ
バッファロートレースは、華やかな甘みと深見、長く続く後味が特徴です。
バーボンウイスキーと聞くと、独特の香りが苦手と感じる方も多いかもしれませんが、バッファロートレースを一口飲めば、その考えが一瞬にして変わることでしょう。パンケーキ、バニラ、バターの香りに例えられるテイストは、独特のものです。
長い歴史のあるバッファロートレース蒸留所は、2013年に蒸留所の社屋がアメリカの史跡に指定されました。
アメリカに合衆国ケンタッキー州に旅行に行くことがあったら、是非訪れてみたい場所です。
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