酒屋を覗いてみると2000円台前半で売られているため「これ本当にシングルモルトウイスキーかよ」と思われてた方も多いのではないでしょうか?
ジョニーウォーカーのブラックラベルやバランタイン12年と同じ価格帯でシングルモルトコーナーで売られているのでびっくりする銘柄の一つです。
今回はそんなグレンマレイの味わいや種類、蒸留所について解説します。
グレンマレイはシングルモルトなのか?
安心してください。設立は1898年、黎明期から存在する蒸留所のシングルモルトウイスキーです。
ブレンデッドウイスキーの原酒が主だったためなかなか、シングルモルトとして流通することが少ない蒸留所でしたが、現在のオーナーマルティニケーズ-バルディネ(フランスの飲料会社)になりシングルモルトも積極的にリリースしております。
華やかでフルーティーな味わいなため初心者にもおすすめな銘柄です。また価格帯が安く長い熟成年数のものも安く買えるという点も大きな魅力です。
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エールビールの製造から始まったグレンマレイ蒸留所の歴史
グレンマレイ蒸留所が、ウイスキーの製造を始めた年は1898年ですが、1830年ごろからエールビールの製造を行っていました。
ビールはウイスキーと同じで、大麦をミキシングして水を加えデンプンを糖に分解させて酵母の力で糖をアルコールにします。
ウイスキー作りと共通している製造工程が多いためビールからウイスキー製造に切り替えるブルワリーもそこそこ多いようです。
蒸留所のプロフィール
ラ・マルティニケーズグループは自社でブレンデッドモルトも展開しており、「ラ・マルティニークイーズ ウィンチェスター」というのもあります。三年以上樽熟成をしたグレンマレイが使用されています。グレンマレイは多くのブレンデッドウイスキーに原酒として使われており、手頃な価格帯ものも多いです。
グレンマレイの味わいについて
グレンマレイは、ピート感を感じずカスクフィニッシュをしたクラシックも複数種類存在しており多彩な味わいが魅力的な銘柄です。
バニラやハチミツのようなバーボン樽由来のニュアンスを感じ取りたい方はノーマルのグレンマレイ、変わった味わいを楽しみたい方はカスクフィニッシュのグレンマレイを試してみると良いかもしれません。
スペイサイドモルトが好きな方や姉妹蒸留所であるグレンモーレンジィが好きな方に合うと思います。
グレンマレイのおすすめの飲み方
グレンマレイクラシックや12年は、ソーダ割り(ハイボール)がおすすめです。スペイサイドモルトらしく甘く華やかな味わいが楽しめます。クセがないためいくらでも飲めるウイスキーなので、飲み過ぎに注意が必要です。
また年数の長い15年以上に関しては、ストレートやトワイスアップ、ロックなどがおすすめです。ナッティーでマンゴーやパパイヤのような南国系の果実の風味が感じられます。
価格も手頃な価格帯なため、ハイボール要員からゆったりとした飲み方などにも対応できる点が魅力的です。
グレンマレイはまずい?
グレンマレイは安価な銘柄ではありますが、価格なりの味わいのウイスキーです。特に年数表記が長いものに関しては、普通のシングルモルトと大差ありません。
通常のNAラインはバーボン樽主体のよくあるNAシングルモルトの味わいがしますが、カスクフィニッシュも豊富なため様々な銘柄にチャレンジできる点もとても良い点だと思います。
どうしてもNAだと熟成年数によるアルコールの若さを感じて苦手という方は、15年以上の熟成年数が長いものがおすすめです。シェリー樽由来のフルーティーさを感じ、ナッティなオーソドックスなジングルモルトを体験できます。
美味しい普通のシングルモルトです。
安価にシーズニングを楽しみたい方向け
ラムやシャルドネでカスクフニッシュした珍しい後熟成のモデルがある点も魅力的です。3,000前後で楽しむことができるのでチェックしてみましょう。
おすすめはシャルドネで新鮮なフルーツのような香りと若干の酸味を楽しむことができます。
グレンマレイの種類
グレンマレイはオフィシャルから数多くのボトルがリリースされています。
特にカスクフィニッシュが豊富な銘柄なので、いろいろな樽を試してみたい方にピッタリです。
カスクフィニッシュとは、一度熟成させた樽(熟成樽)から別の樽に移し替え再度熟成させたウイスキーを指します。主にシェリー樽や赤ワイン樽が使われるケースが多いです。
グレンマレイ クラシック
グレンマレイのスタンダードボトルでライトな琥珀色のような色合いで、柑橘系の香り感じられシングルモルト入門にピッタリです。
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グレンマレイ クラシック シェリーカスクフィニッシュ
グレンマレイ クラシックシリーズのシェリーカスクフィニッシュです。伝統的なスペイサイドスタイルのアメリカンオーク樽で熟成後、ヘレス産のオロロソ・シェリー樽で後熟させたボトルです。
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はじめてのシェリーカスクフィニッシュに最適です。
グレンマレイ クラシック カベルネ・ソーヴィニョン カスクフィニッシュ
グレンマレイクラシックシリーズのカルベネ・ソーヴィニョンカスクフニッシュで、フランス産のワイン樽を使っております。
カルベネ・ソーヴィニョンとは、世界中で栽培されている赤ワイン用のブドウ品種でフランスのボルドーが有名です。比較的に土壌も選ばず温暖な気候に対応ができるため、イタリア、カリフォルニアやオーストラリアや南米、アフリカなどでもよく栽培されています。
色が濃く、深みがあってカシスやブラックベリーのような黒いベリーのような香りが特徴的です。
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グレンマレイ ラムカスクフィニッシュ
グレンマレイクラシックシリーズのラムカスクフィニッシュです。
ラムとは、サトウキビのラモセス(廃糖蜜)や搾りかすから作られる蒸留酒です。カリブ海諸島のキューバやジャマイカ、プエルトリコなどが有名で、砂糖のような甘い香りが特徴的で、カクテルベースやお菓子などの風味づけに使われることが多いです。
主に3種類に分けられ、ホワイト、ゴールドやダークと樽熟成具合によって色合いや風味が変わってきます。
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グレンマレイ 10年 ファイヤードオーク
グレンマレイのヘリテージモデルのカスクフィニッシュです。10年間熟成させた原酒をファーストフィルのバーボン樽で6〜10ヶ月熟成させています。
Jim Murray の Whisky Bible で90点と高い評価を受けています。
ファーストフィルのバーボン樽の焦がした樽のニュアンスが感じられ、熟成年数もある程度あることからアルコールのチクチクした感じも薄まりとても個性的な銘柄です。
バーボンが好きな人におすすめ。
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グレンマレイ シャルドネカスク
グレンマレイクラシックシリーズのシャルドネカスクフィニッシュです。珍しい白ワイン樽で後熟させたモデルです。
シャルドネとは、フランスのブルゴーニュ原産の白ブドウワイン品種です。世界中で栽培されている品種で白ワインの女王と言われております。テロワール(土壌や気候)を反映される品種で様々な香りや味わいの特徴があります。
日本でも広く栽培され甲州が有名です。
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グレンマレイ ポートカスクフィニッシュ
グレンマレイクラシックモデルのポートカスクフィニッシュです。有名なポートワインである Porto Cruz の樽で後熟させています。
ポートワインとは、ポルトガルで生産され所謂酒精強化ワインの一種で、ワインにブランデーを添加することによってアルコール度数を高めています。
ポルトガルやスペインでは、大航海時代に長い船旅でもワインが腐らないようにアルコールを添加したワインが生産されています。
ポートワインは甘口の品種が多い点も特徴的。ワイン独特の渋みや酸味が苦手な方にもおすすめです。
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グレンマレイ クラシック ピーテッド
グレンマレイクラシックモデルのピーテッドモデルです。元々ノンピートの銘柄なためそこまで強いピートを炊いているわけではないですが、こちらもコスパの良いウイスキーです。
おすすめ度:
グレンマレイ 12年
グレンマレイの12年モデルです。価格が3000円台前半と高コスパのウイスキーでシェリー樽とバーボン樽のバランスが良い点がポイントが高いです。
おすすめ度:
グレンマレイ 15年
グレンマレイ15年。ヘリテージの中では一番おすすめのボトルです。15年の中では安価な価格帯で12年をそのままグレードアップしたような味わいが魅力的です。
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グレンマレイ 18年
こちらもコスパが優秀ですが、リベットの18年に比べると多少お高めな印象。それでもかなり安い部類の18年です。
おすすめ度:
グレンマレイのおすすめ順
- グレンマレイ 10年 ファイヤードオーク
- グレンマレイ 15年
- グレンマレイ クラシック シェリーカスクフィニッシュ
当サイトではこの三つがおすすめ。ヘリテージモデルとクラシックモデルのカスクフィニッシュとベーシックなグレンマレイを選んでみました。
他にもあまり見かけないカベルネソーヴィニョンやシャルドネ、ラムなど珍しいものも多いのでカスクフィニッシュを揃えて飲み比べをしても面白いかもしれません。
グレンマレイと銘柄との比較
ここではグレンマレイと他銘柄の比較をしてみました。ウイスキーは数多の種類があるので、色々とチャレンジができる点が良いですね!
スムースで安いシングルモルトを探している場合
4本揃えても1万円以内で抑えることができる驚愕の安さ。最近何かと話題のバスカーなども選択肢の一つに入ります。シングルモルト単体でも時期が良いと2000円台前半から購入することが可能です。
詳しくバスカーの記事を参考にしていただけますと幸いです。
リンクはこちら
ピーテッドに興味があるのだけれどなるべく安価に抑えたい
こちらは定番のアードモアです。ピート香りを楽しみたい方におすすめの銘柄で、NAになりますがかなり安価な価格帯で販売されています。
アードモアについて興味がある方はこちら
まとめ
今回はグレンマレイについてまとめてみました。数年前まで店頭で山ほど見かけた銘柄ですが、今はバスカーに切り替わった印象です。
スペイサイドには美味しいウイスキーが多数存在するので、他のウイスキーと見比べながら自分に合ったウイスキーを探してみてはいかがでしょうか?
当サイトでは、スコッチやバーボン、アイリッシュなど様々なウイスキーを紹介しています。ウイスキー選びの手助けになれば幸いです。
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