ノッカンドゥはスコットランドのシングルモルトウイスキーです。
一般的なシングルモルトウィスキーは様々な年数の原酒をバッティングすることで構成されていますが、ノッカンドゥは少し違います。
スペイサイド地方の中でも繊細と表現される独特なウイスキーについてまとめてみました。
ノッカンドゥの特徴
ノッカンドゥはスぺイ川中流域にある「ノッカンドゥ蒸留所」で作られるシングルモルトスコッチウイスキーです。日本語で「小さな黒い丘」という意味があります。
主にブレンデッドウイスキーの原酒提供を行っている蒸留所で、ブレンデッドウイスキー「J&B」の原酒でもあります。
ノッカンドゥの味わいや特徴
甘くエレガントな香りにナシやリンゴのようなフルーティーさ、ナッツ、蜂蜜など様々な香りが楽しめます。
大麦麦芽はわずかにピートを焚いたものを使用、麦芽工程はディアジオグループが管理しているモルティング会社から仕入ています。
蒸留所付近のガードナッホの水を採用しています。
樽の比率はバーボン樽が90%、シェリー樽が10%の構成です。
年度によって味が変化するレギュラーボトル
ノッカンドゥは、ビンテージ表記があるシングルモルトウイスキーです。スコッチウイスキーである○○年という表記は、最低酒齢○○年のものが使われているという意味を持ちます。
そのため多くのモルトウイスキーは最低○○年のウイスキー+それより年数が上のものをヴァッティングして構成されます。
しかしノッカンドゥでは、違う年数のヴァッティングは行わず同年の原酒のみで構成されています。
12年場合「12年数の酒齢の記載+「2009」蒸留年度の記載」がボトルにされているわけです。
そのため蒸留年度によって味わいが変化するのがノッカンドゥの特徴です。
ノッカンドゥの種類
ここでは、ノッカンドゥの種類についてご紹介します。
各ラインナップを飲み比べることで、味の違いを知ることができます。よりノッカンドゥを楽しむことができます。
ノッカンドゥ12年
12年熟成されたバーボン樽とシェリー樽を90%、10%で構成されたシングルモルトウイスキーです。
色は薄い琥珀色でライトボディです。フローラルで繊細な味わいとナッツやアーモンドのような感じも魅力的な一本
余韻もキリっとドライなのが特徴。
ノッカンドゥ15年
こちらも同じような構成で熟成年数が15年のもがボトリングされています。
12年に比べると若干琥珀色が強くなります。
ボディはシルキーですが、樽由来のスパイシーさが感じられます。
香り、味わいはフルーティーで焦がしたリンゴでオーク樽由来のウッティ差が感じられます。
ノッカンドゥ18年 スローマチュアード
18年はシンプルで深みのあるシングルモルトウイスキーです。
シェリー感がどっぷり感じられ、砂糖漬けにした洋ナシやプラム、濃厚なバニラアイスのような香りが魅力的です。
おすすめの飲み方
ノッカンドゥは、ストレートかトワイスアップがおすすめです。オフィシャルボトルでビンテージ表記のある珍しいウイスキーをそのまま楽しむ飲み方が良いかもしれません。
ソーダ割り(ハイボール)にする場合は、崩れない様に濃いめに作ってあげると良いです。ライトなウイスキーは気持ち多めにウイスキーを入れてあげましょう。
そのまま楽しむこともできるノッカンドゥですが、あえて角瓶の様に冷凍庫でキンキンになるまで冷やしてロックやコーラやトニックで割るカクテルにする飲み方もできる銘柄です。
ノッカンドゥが原酒に使われているブレンデッド
J &Bレアはイギリスのジャステリーニ&ブルックス社のブレンデッドモルトウイスキーです。
日本ではこの価格帯のブレンデッドはジャパニーズも多くあるのであまり馴染みがないと思いますが、紹介までに。
J&Bレア
40種類以上の原種でブレンドされたスタンダードボトルです。
原種には「ノッカンドゥ」、「グレンスペイ」などスペイサイドのウイスキーを採用しているライトで華やかな印象。
ハイボールなどにおすすめです。
J&B 15年
日本で流通しているのをほとんど見かけませんが、15年熟成もあったりします。
モルティでドライな印象で、ほんのりレーズンを思わせる感覚が楽しめ、15年熟成ということもあり、ボディーがしっかりしています。
J&Bエクセプション ピュアモルト
フランス限定のモデルです。日本では手に入りませんが並行輸入なら手に入ります。
ピュアモルトというのはモルトウイスキーだけを掛け合わせたウイスキーの呼称です。
スペイサイドの12年熟成のシングルモルトが4000なら妥当な値段でしょう。
ノッカンドゥの歴史
ノッカンドゥはノッカンドゥ村の近くにあります。蒸留所の歴史は意外と浅く1898年に誕生しました。
しかし1900年台は、パティソン事件をはじめ2度の戦争、アメリカでの禁酒法などウイスキー不況の時代に入ります。
パティソン事件とは、当時ブレンデッドウイスキーを販売していたパディソン社が倒産して芋づる式に連鎖倒産が起きた事件です。
1800台後半、ウイスキーブームにより原酒価格が高騰し、規模拡大を図ったパディソン社が原酒を担保に資金を集めることに成功します。
しかし、パディソン社の粉飾決算が発覚、発売していたウイスキーもほぼモルト原酒が含まれておらず悪質なものでした。
不信感+社会的な要因でウイスキーは長い不況に突入します。
そのため、現在まで続いている蒸留所でも何度も閉鎖に陥っている蒸留所は多いです。そのたび大きい資本が蒸留所を買収して救済することが多々あります。
ノッカンドゥ蒸留所も創業10ヶ月で閉鎖を余儀なくされます。1904年、ジンで有名なW&Aギルビーによって買収されます。
その後は閉鎖されることなく運営され現在ではディアジオ社がオーナーが管理しています。
基本的にはブレンデッドの原酒が90%を占めています。
ビンテージ表記やカラーリングをしないなど随所にこだわりがあるのが特徴です。
ノッカンドゥの評価や口コミ
ここではノッカンドゥの評価や口コミをご紹介。是非参考になれば幸いです。
終わりに
今回はノッカンドゥについてまとめてみました。
是非これを機にチャレンジしてみてください。ワインと同じく年度によって出来上がりに違いが出てくるのは非常に魅力的だと思います。
12年は比較的にどこでも買えますが15年、18年の入手難易度の高さなんとかなりませんか(切実)。。。
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