ロイヤルロッホナガ―はハイランド地方で生産されるシングルモルトウイスキーです。
Royal Lochnagarの Royal は王室御用達という意味があります。
この記事では、ロイヤルロッホナガ―の味わいや種類、初心者におすすめの一本などまとめております。
ロイヤルロッホナガ―の特徴
ロイヤルロッホナガ―の特徴はハイランドモルトウイスキーらしいモルティで非常にバランスの良いモルトウイスキーです。
由来は、蒸留所の建てられた山の名前からロッホナガ―を取っています。
またジョニーウォーカーブルーラベルのキーモルトとして非常に重要な役目を果たしています。
年間の生産量は450,000ℓ程しかない小さな蒸留所です。
木製のウォッシュバックを使った発酵工程
現在でもステンレスのウォッシュバックではなく、スコッドランド産のカラマツで作ったウォッシュバックで発酵工程を行っています。
近年では発酵工程はステンレスのウォッシュバックで機械的な管理を行うことが主流です。木材だとどうしても木が麦汁を吸う分効率が悪いとのこと。
しかし木材の細かい影響や発酵時間が酒質に影響を与えると考え、伝統を守り続けています。
発酵時間は大体96時間とのこと、長い時だと5日間にも及ぶそうです。
長時間の発酵とウォッシュバックがロイヤルロッホナガ―grassy(草のような)香りと酸味に起因しています。
モルティかつシェリーで複雑な香味
香り:穀物や草のようなニュアンスとシェリー感、キャラメル、フルーティーなど複雑な香味のウイスキーです。
味わい:フルーティーとモルト感と甘味が全面にでて、多少のピーティー感も感じられます。
よくウイスキーの表現で香りや味わいという表現が出てきます。香りはグラスに鼻を近づけた時、味わいは飲んだ時という意味です。
初心者におすすめは12年
初心者におすすめなのはロイヤルロッホナガ―の12年です。価格もお買い求めしやすい価格帯でロイヤルロッホナガ―感を存分に感じられます。
ロッホナガ―の樽はホッグスヘッドのバーボン樽とヨーロピアンオークのシェリー樽を使用、ベーシックなハイランドモルトです。
ホッグスヘッドというのはバーボン樽はスコッチの樽と比べ小さいため、樽を大きく組み換えたものを指します。
組み替えることにより体積が増え熟成の進行が穏やかになります。
ロイヤルロッホナガ―の種類
ここではロイヤルロッホナガ―の特徴をまとめています。
ロイヤルロッホナガ―12年
色見:クリアで明るい琥珀色
香り:シェリー感、フレッシュな果実、キャラメル、モルティ、ピーティー
味わい:モルトの甘味、グラッシー、フルーティー、ピーティー
フィニッシュ:モルティ、スモーキー、ジンジャー、クローブ、スパイシーさ
スペイサイドのような華やかな印象から穀物由来の香りが非常に特徴的なウイスキーです。フィニッシュにかけて穀物感や草のようなニュアンスが強くなります。
ロイヤルロッホナガーセレクテッドリザーブ
スコッドランドで最も小さい蒸留所の一つである。
https://item.rakuten.co.jp/hamonika/10006506/
ロイヤルロッホナガー蒸留所で、マスターディスティラーにより
一つ一つ試飲され、そこで厳選された樽のみでつくられた
毎年数千本しか世界に発売されない希少性の高い商品。
とのこと。プレミアムモデルです。
ロイヤルロッホナガー16年2021スペシャルリリース
こちらはスペシャルエディションのロイヤルロッホナガー。数量限定なためオフィシャルから出たカスクストレングスかは不明。
セレクトリザーブに比べエイジ表記があるため16年以上の原酒が使われています。
ロイヤルロッホナガーがキーモルトに使われているウイスキー
ロイヤルロッホナガーの12年以上オフィシャルで安定して出ているわけではないため。ブレンデッドを紹介します。
ジョニーウォーカーブルーラベル
ロッホナガ―がキーモルトとして使われているブレンデッドウイスキーです。
製法からくる独特のグラッシーさがブレンダーの心をつかみ続けています。
「王室御用達だからー」ではなくしっかりと伝統的な製法を守り続けているから評価されている点がロイヤルロッホナガ―の魅力です。
ロッホナガ―の歴史について
1823年 ジェームズ・ロバートソンがロッホナガ―蒸留所を設立
1826年 わずか三年後、近所の密造業者に反感を買い放火
1841年 近所の密造業者の反感を買い放火
1845年 ニューロッホナガ―蒸留所を設立
1848年 今度は燃やされないようにエリザベス女王に泣きつき王室御用達の勅許状をもらう
1916年 ジョン・デュワー&サンズ買収
1925年 DCL社に買収
現在ではディアジオグループが保有しています。
燃やされた当時のイギリスでは、許可を得ずウイスキーを製造する方が主流でした。
日本でいうどぶろく的な立ち位置です。
モルトと仕込み水
現在ロッホナガ―で使われているモルトはROSEISLE MALTINGS(ディアジオグループのモルティング業者)から仕入れた1ppm~2ppmのモルトを調達しています。
仕込み水はロッホナガ―山の地下水を使用しているそうです。
その後、水を加えながらグリストをブラウマッシュタンでマッシュします。
発酵期間は96時間~5日ほどで非常に長いのが特徴です。
穀物感を出しつつライトな酒質
ロイヤルロッホナガ―蒸留所のポットスチルは、ウォッシュスチルとスピリットスチルが一基づつしかありません。ウォッシュの方は6700リットル、スピリットの方は3720リットルです。
普通の玉ねぎ型のポットスチルです。小さいため銅との接触面積が広くヘビーウェイトのモルトになりやすい傾向にあります。
その対策として少しずつモルトを入れ、物理的に銅との接着面を増やしライトなスピリッツを作っています。
手間はかかりますが、これによりロッホナガ―特有のグラッシーさとライトな味わいを両立させています。
特徴のある酒質のためブレンダーに人気が高いのも特徴です。
終わりに
ロイヤルロッホナガ―の紹介をしました。
歴史も古く三回も密造業者に燃やされているのに驚きました。
世紀末感すごい(笑い)
価格もそこまで高くないので手が出しやすいのでご興味のある方はリンクからご購入してみてはいかがでしょうか?
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