オーヘントッシャンは、ノンピートで三回蒸留が特徴のシングルモルトウイスキーです。
蒸留回数の多さから雑味がない酒質で樽由来の影響を大きく受け、年数によって印象が大きく変化します。
熟成期間が長いものはマンゴーやパパイヤ、パッションフルーツのようなトロピカルフルーツ、12年はバーボン樽由来のバニラ香りが印象的です。
この記事を参考にオンセンティックなバーで並べて飲んでみてください。
オーヘントッシャンの歴史と味わい
オーヘントッシャンは、スコッドランドのローランド地方で作られます。
ゲール語で「畑の角」を意味します。繊細で滑らか軽やかなシングルモルトです。
1823年:ジョン・ブロックによって設立されました。
1834年:ジョン・ブロック家が破産し、地元の農家アレクサンダーフィルシーに売却されます。
1989年:モリンソン・ボウモアに買収
1994年:サントリーがボウモアを買収したため、サントリーホールディングスの所有になります。
オーナー変更や経営の統廃合が幾度どなくおこりますが、製法は現在まで受け継がれています。
スコッドランド唯一の三回蒸留
ローランド地方ではモルト以外の穀物も混ぜで蒸留していたこともあり、三回蒸留を行う方法が主流でした。
時代の変遷によって、クリアな三回蒸留を行う蒸留所が減少して、現在ではオーヘントッシャンのみになっています。
中間に挟むIntermediate still(インターミディエットスチル)と言います。
一般的な蒸留所はもろみを二段階にわけで蒸留します。
初留釜:ウォッシュスチル
再留釜:スピリットスチル
二回に分けることで穀物の発酵臭を取り除き、よりクリアで洗練されたニューポットを作ります。
蒸留工程を終えた後のアルコール度数は70%前後ですが、オーヘントッシャンの場合は81%になります。
それに加水を加え63%まで落としバーボン樽やシェリー樽、ワインの樽に詰めされ熟成されます。
不純物が極めて少ないため樽の影響がより出やすいウイスキーです。
熟成期間が伸びるにつれシェリー、バーボン樽の特徴がより顕著に出てきます。
トロピカルフルーツを思わせるような芳醇な香りがオーヘントッシャンの魅力の一つ。
蒸留を終えた後63%に落とし熟成する蒸留所が多いです。
200年を超えるウイスキーづくりの経験から自然とこの度数に落ちついたようです。
ノンピートなので初心者にも飲みやすい
オーヘントッシャンはノンピートなのでスコッチ入門としてもおすすめです。
アルコール度数も40%とウイスキーの中では高くない度数です。
バーボン樽由来の甘いバニラ香りを楽しみたい方は12年がおすすめです。
オーヘットシャンのボトルを買わずバーで縦飲みが無難
オーヘットッシャンは年数によって樽香りの出方や構成によって大きく味が異なります。
長い熟成のものだと店頭では手に入らないものが多く探すのが大変です。
バーでオーヘントッシャンを若い順から並べて飲んでみるのがいいかもしれません。
クリアな味わいのため、樽材の影響を大きく受け味わいの変化が如実に体験できるはずです。
実はウイスキーも封を切ってから徐々に香りが変化してきます。そういった変化を楽しみたい方はネットで買うのも手です。
個人的にはゆっくり酸化したウイスキーの味わいも乙なものと感じますが、3カ月くらいのスパンで消費してあげるといいそうです。
オーヘットシャンの種類や味について
ここではオーヘントッシャンの種類と味について紹介します。
日本では発売していないものAmazonや楽天では購入できるので便利です。
酒屋でウイスキーを探すのも楽しいので、この記事をきっかけに探してみてください。
オーヘットッシャン12年
シングルモルトスコッチウイスキーでは12年熟成がスタンダードなラインとされています。
ウイスキー酒の年齢表記と書いて酒齢では、最低ライン12年熟成した原酒を含め様々な年数のウイスキーをブレンダーが掛け合わせています。
オーヘントッシャン12年は、アメリカンオークのバーボン樽80%とシェリー樽20%主体に原酒を構成しています。
香り: バニラ、キャラメル、ヘザー、オレンジ、甘味
味わい: バニラ、 ヘザー、甘味、スムース
フィニッシュ:ライム、甘味、スパイシー
オーヘントッシャン スリーウッド
アメリカンオークのバーボン樽とスパニッシュオークのオロロソシェリー樽、ペドロピ目ネスのシェリー樽三つを使ったオーヘントッシャンです。
複雑なフレーバーが魅力的な一本。
香り: オレンジ、プラム、レーズン、ブラウンシュガー
味わい: レモン、シロップ、ヘーゼルナッツ、マイルド
フィニッシュ:フルーディ―、オーク感
オーヘントッシャン アメリカンオーク
バーボン樽のみで構成されたオーヘントッシャンです。
スリーウッドとは違いバーボン由来のバニラ感がたまらない一本。
香り: バニラ、ココナッツ、キャラメル、ブラウンシュガー 、シトラス系
味わい: バニラ、ココナッツ、ホワイトピーチ
フィニッシュ:グレープフルーツ、スパイシー
オーヘントッシャン18年
三回蒸留で洗練されたウイスキーを18年以上熟成させたシングルモルトウイスキーです。
香り: オレンジ、プラム、レーズン、ブラウンシュガー 、カラメル、アーモンド、紅茶
味わい: レモン、シロップ、ヘーゼルナッツ、マイルド、スパイシー、モルティ
フィニッシュ:フルーディ―、オーク感
オーヘントッシャン21年
三回蒸留の原酒にバーボン樽とシェリー樽で21年以上熟成させた原酒を入れた一本。
トロピカルが魅力的、最高の贅沢に。
香り: オレンジ、プラム、レーズン、ブラウンシュガー 、カラメル、アーモンド、トロピカルフルーツ
味わい: レモン、シロップ、ヘーゼルナッツ、マイルド、スパイシー、モルティ、トロピカルフルーツ
フィニッシュ:フルーディ―、オーク感
オーヘントッシャンはまずいのか?
スコッチウイスキーが好きな方には、アイリッシュウイスキーと同じような製法を取るオーヘントッシャンでは物足りないという印象を持たれる場合もあります。
クリアな3回蒸留独特の味わいがあるため、アイリッシュウイスキーを飲むイメージで飲まれた方がいいでしょう。
ピート香りやヨード香りを楽しみたい方は、グレンスコシアがおすすめです。バニラやキャラメルを彷彿とさせるような甘い香りと塩風を感じるいいスコッチです。
オーヘントッシャンのおすすめの飲み方
オーヘントッシャンはクリアでライトなボディのため、崩れにくいストレートやトワイスアップがおすすめです。
トワイスアップとは、常温の天然水(軟水が良い)とウイスキーを同量で割る飲み方です。度数が薄まり飲みやすくなりますがしっかりとボディの味わいも楽しめます。
また爽やかにソーダ割り(ハイボール)にして飲むのも良いでしょう。その際は濃いめに作ると味や香りが崩れにくく美味しく飲むことができるでしょう。
バニラ香りとフルーティーな味わいが特徴的なオーヘントッシャンぜひ色んな飲み方を試してみてください。
まとめ
今回はオーヘントッシャンについてまとめてみました。手軽に手に入るスコッチウイスキーですので是非一度手に取ってみてはいたがでしょうか?
他にもウイスキーについてまとめているため別記事もご覧いただけますと幸いです。
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