完璧すぎるウイスキーとして有名なグレンモーレンジィ。スコットランドの北ハイランドに君臨し170年間もの歴史を紡いできました。
中でも熟成後に別の樽に移し替えて熟成する技術に秀でており、数多くのボトルをリリースしています。
グレンモーレンジィの概要
グレンモーレンジはハイランドモルトの中でも柑橘系を思わせるようなフルーティーさとクリアな味わいが特徴的なウイスキーです。
その要因は高さ5.141mのポットスチルを使用しているためです。
銅との接触面積が大きくなり、大麦を発酵するときに出る硫黄臭などを減らすことができます。
どのウイスキーも、樽詰め前のニューポットを嗅ぐと硫黄臭が少なからずしますが、それを熟成工程を経ることによって飲みやすくするわけですね。
硫黄臭さも個性と捉え生かす蒸留所もありますが、大半の蒸留所は嫌な匂いを抑えるため様々な工夫をしています。
グレンモーレンジィの味わいについて
グレンモーレンジィは、モルティというより樽由来の香りがしっかり感じられるスコッチウイスキーです。
特にグレンモーレンジィオリジナルは高いコスパを誇っており、シトラスやオレンジを印象させるような柑橘系の味わいが特徴的。
初心者にも飲みやすいスコッチウイスキーなので初めてのシングルモルトにおすすめです。
キリンの保全活動に取り組むグレンモーレンジィ
MDH モエ ヘネシー ディアジオ株式会社は、2020年からグレンモーレンジィのシンボルでもあるキリンの保全活動に取り組んでいます。
アフリカでは、野生動物の密猟が相次ぎ社会問題化。
その対策のために獣医師や政府、大学機関やローカル団体に投資をしているというとのこと。
ウイスキーのピートを焚く工程が、環境破壊と言われている背景があります。
こうした取り組みをしていかないと産業として継続できないというのディアジオの本音でしょう。
追加熟成のパイオニア
グレンモーレンジィは追加熟成のパイオニアと言われています。
元々得意というのもありますが、2019年9月発表した「グレンモーレンジ キンタ ルバン14年 ポートカスク フィニッシュ」のキャッチフレーズに使ったため広がったと思われます。
確かに樽のこだわりは強く感じられます。
- 3回以上熟成に使用した樽は使わないこと。
- 原木から厳選し、10年余りの年月をかけ仕上げる「デザイナーズカスク」
- マディラやペドロヒメネス、ルビーポート、ソーテルヌワイン樽など様々な樽
ウイスキーの味わいや香りは樽によって大きく左右されるため、熟成樽は最も重要な要素です。
グレンモーレンジィの味わい
グレンモーレンジィの味わいは、キリンのように首の長い(5.14m)ポットスチルと雑味のないターロギー泉の湧水を使うことによりクリアでマイルドな酒質のウイスキーを生成しています。
ナッティでフルーティーな味わいが特徴的なスコッチウイスキーから完璧なシングルモルトというキャッチフレーズで呼ばれています。
初心者から上級者まで幅広く親しまれている銘柄です。
グレンモーレンジィの種類
グレンモーレンジィは限定ボトルが定期的に出てくるので要チェックです。
グレンモーレンジィ オリジナル 10年
爽やかな柑橘系の香りが特徴的なレギュラーボトル。
繊細さと複雑な味わいは、世界中のウイスキーファンから「完璧すぎるウイスキー」と評されておりま
す。
グレンモーレンジィ ラサンタ 12年
オロロソシェリー樽とペドロヒメネス樽で熟成した一本です。
辛口と甘口のシェリー樽を使うことで、ナッティでどっぷりシェリーが魅力的。
グレンモーレンジ キンタ ルバン 14年
上質なルビーポートワインの樽で熟成したブラックチョコレートとミント、ベルモットのような柑橘フレーバーが特徴的な一本。
ルビーポートワインとは、ポルトガルの酒精強化ワインで2〜3年樽熟成を行って瓶詰められるワインです。
ルビーポートは葡萄の品質で熟成年数や表記が変わります。
ルビーポート(2〜3年)→Vintage Port(3年一番いい葡萄) →L.B.V(4〜6年ランクが下の葡萄)という区分けされおそらくシーズニング用のポートワインを使用しているのでしょう。
グレンモーレンジィ18年
グレンモーレンジィのオフィシャルボトルの中では一番年数表記が長いボトルです。
パパイヤなどのトロピカルな味わいが印象的、これも果実系や花などといった複雑な香りが魅力的。
18年にしてはかなりリーズナブルなのでおすすめです。
グレンモーレンジィ ネクタードール ソーテルヌ フィニッシュ
希少なソーテルヌワイン樽で熟成した一本。
ソーテルヌとはフランス・ソーテルヌ地域で生産される貴腐葡萄ワインです。貴腐菌という葡萄の皮だけを食べてくれる菌を使って葡萄から水分を飛ばしより甘い葡萄に仕上げたものを貴腐ワインと言います。
フランスの最高峰甘口ワインの空樽に詰めた貴重なスコッチ。
この価格で貴重なボトルを出せるのは年間800万Lを誇るグレンモーレンジィだから成せる技です。
おすすめの飲み方
基本はストレートがおすすめです。度数が高くてきつい場合はトワイスアップというウイスキーと水を等倍で割る飲み方が良いでしょう。
ナッティーでフルーティーなニュアンスが崩れることなく飲むことができ非常に美味しい銘柄です。
年数の低いグレンモーレンジィ10年をソーダ割り(ハイボール)で飲む方法もおすすめです。年数が高いものもあえてソーダ割り(ハイボール)で楽しむのも良いかもしれませんね!
ハイランドクイーンについて
グレンモーレンジィとグレンマレイなどがキーモルトとして使われていたのがハイランドクイーンです
現在では使われておりませんが、格安ウイスキーなのでハイボール用にとにかく安くウイスキーが飲みたい方におすすめ。
割高ではありますが、ウォーターブルーフにはグレンモーレンジィ14年が使われています。
まとめ
今回はグレンモーレンジィについてまとめました。価格も非常に安定しているのでおすすめな銘柄です。
ぜひ宅飲み用に試してみてください。
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